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目次
リージョンの違いを知って最善のリージョンを選択しよう
みなさんは AWS にサービスを設置するときにどこにあるリージョンを選択していますか?
とりあえず日本向けのサービスだから東京リージョンを選択しておこう位の気持ちで選択している人も多いと思います。私もサーバーを設置するリージョンはどれが良いか?と尋ねられることが何度もあったため、情報をまとめて見解を記述したいと思います。
リージョンの場所
まずはリージョンの場所を確認してみましょう。AWS にはたくさん(22か所)のリージョンが存在しており、主な地域は、アメリカ・東アジア・欧州の3か所です。
※中国リージョン(北京、寧夏)は中国国内の方だけが作成できるリージョンになります。
- us-east-1:米国東部(バージニア北部)
- us-east-2:米国東部 (オハイオ)
- us-west-1:米国西部 (北カリフォルニア)
- us-west-2:米国西部 (オレゴン)
- us-gov-west-1:AWS GovCloud (US)
- ca-central-1:カナダ (中部)
- eu-central-1:欧州 (フランクフルト)
- eu-north-1:欧州 (ストックホルム)
- eu-west-1:欧州 (アイルランド)
- eu-west-2:欧州 (ロンドン)
- eu-west-3:EU (パリ)
- ap-northeast-1:アジアパシフィック (東京)
- ap-northeast-2:アジアパシフィック (ソウル)
- ap-northeast-3:アジアパシフィック (大阪: ローカル)
- ap-southeast-1:アジアパシフィック (シンガポール)
- ap-southeast-2:アジアパシフィック (シドニー)
- ap-south-1:アジアパシフィック (ムンバイ)
- ap-east-1:アジアパシフィック (香港)
- cn-north-1:中国 (北京)
- cn-northwest-1:中国 (寧夏)
- me-south-1:中東 (バーレーン)
- sa-east-1:南米 (サンパウロ)
蛇足:香港リージョンについて
香港リージョンは中国リージョン(北京、寧夏)とは異なり世界中の誰でも作成・利用できるリージョンです。ただ初期設定では無効化されているため、手動でリージョンをアクティブにする必要があります。
もし香港リージョンを有効化したい場合は、下記の記事を参照してみて下さい。
リージョンを決める際のポイント
サービスの設置先のリージョンを決めるとき、4つのポイントがあります。
- 必要な機能が提供されている
- 法律上または社内規則の問題
- 値段(ランニングコスト)
- 物理的な距離
それではそれぞれのポイントについて細かく説明していきます。
必要な機能が全て提供されているリージョンであること
サービスを設置するリージョンを決めるときに一番重要なことは、該当のリージョンに必要な機能が全て実装されていることです。AWS ではリージョンごとに提供しているサービスが異なります。リージョンで提供されている機能を確認して、サービスで利用する機能を全て提供しているリージョンを選ぶことが重要です。
EC2 や RDS などの主要な機能は問題ないですが、各サービスに特化した機能はリージョン依存になるので特に気を付けてください。
参照として、下記にリージョン別の提供中サービス一覧ページのリンクを設置しておきます。
製品およびサービス一覧(リージョン別)
https://aws.amazon.com/jp/about-aws/global-infrastructure/regional-product-services/
法律または会社の内規に準拠していること
金融や保険などサービスの種類によっては、サーバーの設置場所が国内に限定されていることや査察が受けられることが条件の場合があります。まずは各自の状況に合わせて法律に抵触しないように事前に確認することが必須となります。
また会社の大きさによっては会社の内規に準拠していることも重要で、そのときは主に東京リージョンを選ぶか、その他の海外リージョンを選ぶかの2択になることが多いと思います。
値段(ランニングコスト)を考慮する
AWS の費用は同じ機能でもリージョンによって大きく異なります。今回は一番値段が安いバージニア北部(オレゴン)と需要が多い東京リージョンの EC2 の値段を確認してみましょう。
詳細は下記に記載しますが、バージニア北部(オレゴン)は東京より30%ほど利用料金が安いことが分かります。
インスタンスの料金
(例)t2.microの場合の月額
東京:0.0152米ドル × 24時間 × 30日 = 10.944米ドル
バージニア北部:0.0116米ドル × 24時間 × 30日 = 8.352米ドル
東京:ec2インスタンスの料金
転送量の料金
(例)月の転送量が100GBのとき
東京:0.14米ドル × 100GB = 14米ドル
バージニア北部:0.09米ドル × 100GB = 9米ドル
東京:転送量の料金
物理的な処理を考慮すること
サーバーと利用者の物理的な距離は十分に留意する必要があります。
光通信により物理距離による通信の速度差は極端に縮まりましたが、サーバーは利用者に近い方が通信時間が短いのは考えるまでもありません。東京と北海道や沖縄との距離は1000~2000kmですが、アイルランドやバージニア北部では10000kmも離れています。
もちろん距離の問題を解消する方法はあります。
サービス内で利用する画像や音楽、動画をCDN経由で配信することです。CDNは利用者の一番近い拠点にキャッシュとしてデータを保管することにより、利用者へデータの高速配信を行います。
まとめ(おススメのリージョン)
いかがでしたでしょうか。最後におススメするリージョンの決定方法をまとめますので、みなさんの判断の参考になれば幸いです。
- 法律や会社の内規に抵触するときは「東京」リージョン。
- 無難にサービスを開始したいなら「東京」リージョン。
- テストサーバーは費用が安い「バージニア北部」リージョンか「オレゴン」リージョン。
- 海外向けのサービスを作成する場合は、主ターゲットの国のリージョンを使用する
- 大規模なサービスを行う、または費用(ランニングコスト)を抑えたいときは「バージニア北部」リージョンか「オレゴン」リージョン。ただしCDNを利用することを推奨します。
ページ数: 240ページ
出版社: 技術評論社
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